大沢在昌の本を紹介します

大沢在昌の本を読みました。書名をクリックするとその本の紹介へジャンプします。

影絵の騎士 集英社文庫 大沢在昌

影絵の騎士 大沢在昌

内容(裏表紙のあらすじより)

この国が行き着く姿とは……。スラム化した東側と西側とに二極化した東京。ネットワークというテレビ組織に多くの産業が吸収されてしまう一方、映画産業は東京湾の人工島で独自の発展を遂げる。折しも、ネットワークを通じた連続予告殺人に、番組は高視聴率を獲得。私立探偵ヨヨギ・ケンが事件の真相を迫るべく、人工島へと潜りこむ! 日本の近未来を壮大なスケールで描くエンタテインメント大作。

私の感想

ケンがよく状況がつかめないままに行くところどころで事件や殺人が起きていく。読者もよくわからないままストーリーが進んでいく。近未来といいながら、映画とネットの世界のすみわけ、映画も盛んに上映されている設定。
映画を作るのにはものすごいたくさんの資金が必要で、当たれば大きいが外れれば大変な損失。当てるには大衆受けする作品が必要で、芸術性だけを追い求めていてはヒットはおぼつかない。こういった悩みはまさに映画の実態そのもの。そして資本も闇の世界から集まってくるところも現実そのもの。
この作品は、近未来といいながら、今の映画の問題をえぐり出したものともいえる。それをミステリー仕立ての大作に仕上げるのはさすが大沢在昌。
600ページ余りの作品を飽きさせずに最後まで読ませてくれて感謝。アマンダの最後はちょっとぞっとした。(2017.05.18)

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特殊捜査班カルテット 生贄のマチ 角川文庫 大沢在昌

生贄のマチ 大沢在昌

内容(裏表紙のあらすじより)

家族を何者かに惨殺された過去を持つタケルは、クチナワと名乗る車椅子の警視正に、極秘の捜査チームへ誘われる。”本社”という組織が麻薬売買目的で企画する音楽イベントへの潜入を命じられたタケルは、会場で二人の若者‐―中国残留孤児三世として鬱屈を抱えるコウ、復讐のためイベント企画者の恋人を演じる美少女カスミ‐―と出会う。孤独な潜入捜査班の葛藤と成長を描く、エンタテインメント巨編!解説・小島秀夫

私の感想

やけに読みやすいと思いながら読み終えた。そのわけは、解説を読んでわかる。活字離れした若者たちに、「物語」の面白さを認識してもらうため書かれたハードボイルド小説だという。警察が手掛けられない特殊捜査を扱うグループをちょっと悪の青少年に組ませるとか、それでワルをやっつけるという話で、ちょっと荒唐無稽な気もしたが、確かに読んでいて爽快。2作目の「生贄のマチ」という奇妙なタイトルの意味が読み終わってようやくわかる。こんな変態がいるかもしれないと思うと、ちょっと怖い。人間なんて何でもやりそうだし。続編があるそうなので、見つけたレぜひ読んでみたいシリーズ。(2017.04.21)

 

 

暗黒旅人 (講談社文庫) 大沢在昌

大沢在昌 暗黒旅人

内容(裏表紙のあらすじより)

売れない作家と芽のでない女優。不遇の日々に疲れ果て樹海に潜り込んだ恋人たちの前に謎の老人が現れる。「成功を授けよう。ただし男女の仲を捨て、男は『使命』を受けろ」。九年後、富と名声を得た男のもとに、奇怪なイメージが飛来した。男は直感する。「使命」を果たす時が来たのだ、と。ホラー&アクション。

私の感想

最初の設定の奇妙さと言い、4つの章にわたって起こるちょっと信じられない4つの奇怪な出来事。強引な感じもしますが、不思議の世界に導いてくれう。こういうのがホラー小説というんですね。
水、火、木、土にまつわる邪悪と使命人御岳(みたけ)の闘い。そこには、ただ邪悪と正義の戦いだけでなしに、邪悪をも肯定しなければ生きていけない人々の哀しみも描かれていきます。主人公とそこで出会う様々な美人との絡みも描かれていますし、恋人由子(ゆうこ)との葛藤と深い愛がずっと根底に流れていきます。こういうところはいつもの大沢タッチかな。
2章から登場する樫村刑事がストーリーをつなげていくうえで重要な役割を果たしていきます。なぜか御岳の行動が怪しいと分かっていながら泳がせている、そのわけは何か?最後の方で明かされますが、なるほどと思いましたね。
文庫本の解説で、かなりていねいに大沢在昌とホラー小説とのかかわりについて触れられています。大沢作品には、いろいろな作品でホラーが登場することがよくわかるとともに、日本のハードボイルド小説のジャンルを広げていこうとチャレンジされていることがよくわかりました。(2016.10.12)

 

 

野獣駆けろ (集英社文庫) 大沢在昌

大沢在昌 野獣駆けろ

内容(裏表紙のあらすじより)

元傭兵部隊の兵士であった圭介は、いまは六本木の遊び人として享楽的で退屈な日々を送っている。だが、新作をめぐって脅迫されているという老作家のボディガードを友人から頼まれた夜から、そんな生活は一変した。友人が殺され、圭介は老作家をつけ狙うプロの殺し屋と闘うことになる。やがて「兵士」としての血が蘇り……。自らの誇りのために命を賭ける男たちを描く、傑作ハードボイルド。

私の感想

福井晴敏さんのガンダムUCシリーズを読み終えた直後だったせいもあってか、大沢さんの著書を久しぶりに読んだのだけど、ずいぶん読みやすく感じた。
ほとんど後半は一気読み。
文庫本の末尾に大沢在昌著作リストが載せられており、それを見ると本作は7冊目の刊行で、初期の作品だと分かる。ハードボイルドの傑作というのは確かで、主人公の圭介や一緒になって戦う清水のセリフが格好いい!
ストーリーは最後までよく練り込まれていて、いろいろな謎も読者にわかりやすく順番に解き明かされていくのがわかる。ちょっとひねり過ぎかなと思ったりしたけど、まあ無理ではない結末かな。(2016.10.11)

 

 

冬芽の人(新潮文庫) 大沢在昌

あらまし

警視庁捜査一課に所属していた牧しずりは、同僚が捜査中重大事故に遭ったことに責任を感じ、五年前に職を辞した。以来、心を鎖して生きてきた。だが、仲本岬人との邂逅から、運命の歯車は再び回り始める。苛烈な真実。身に迫る魔手。古巣たる警察の支援は得られず、その手にはもはや拳銃もない。元刑事は愛する男のために孤独な闘いに挑む。警察小説の名手が描く、至上のミステリ。

 

 

追跡者の血統(角川文庫) 大沢在昌

あらまし

広尾の豪華マンションに住み、女と酒とギャンブルとスポーツでその限りない時間を費す六本木の帝王・沢辺が、突如姿を消した。失踪人調査のプロで、長年の悪友佐久間公は、彼の妹からの依頼を受け調査を開始した。“沢辺にはこの街から消える理由など何もないはずだ…”失踪の直前まで行動を伴にしていた公は、彼の不可解な行動に疑問を持ちつつプロのプライドをかけて解明を急ぐが…!?大沢文学の原点とも言うべき長編ハードボイルド、待望のシリーズ第三弾。

 

 

アルバイト・アイ 命で払え(角川文庫) 大沢在昌

あらまし

冴木隆は広尾に住む適度な不良高校生。父親の涼介はずぼらで女好きの私立探偵。噂によると元諜報員で凄腕らしいのだが…。そんな父に頼まれて隆はアルバイト・アイ(探偵)として街を駆け巡る。若い未亡人からの依頼は死んだ夫・康吉が遺していた娘の捜索。遺産を分け与えたいと言う。だが康吉は戦後最大の強請屋で、あらゆる有力者の弱点を握り、その情報=遺産は日本を揺るがす力を秘めていた!(『相続税は命で払え』)。

 

 

魔女の盟約(文春文庫) 大沢在昌

あらまし

過去と決別すべく“地獄島”を壊滅させ、釜山に潜伏していた水原は、殺人事件に巻き込まれるが、危ういところを上海から来た女警官・白理に救われる。白は家族を殺した黄に復讐すべく、水原に協力を依頼するが―。日中韓を舞台に、巨大な組織に立ち向かう女性たちを壮大なスケールで描く、『魔女の笑窪』の続編。

天使の牙(上) (角川文庫) (大沢在昌)


天使の爪〈上〉 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

脳移植によって生まれた麻薬取締官・神崎アスカは、美しくも脆弱なマフィアの女の肉体と、元女刑事の強靱な精神を併せ持つ。ある日突然、麻薬取締部が襲撃される。ロングコートだけをまとい、乗り込んできた全裸の女は、一人を射殺し、犯罪者の引き渡しを要求して立てこもる。交渉人に指名されたアスカは、かつての同僚で恋人の古芳とコンビを組み、無事、人質を救出。だがそれは、壮絶な闘いの幕開けにすぎなかった…。

 

 

天使の牙(下) (角川文庫)(大沢在昌)


天使の牙〈下〉 (角川文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

犯罪組織「クライン」の独裁者君国の愛人はつみの身体と、女刑事明日香の精神を持つアスカは、己だけを信じて決死の囮を演じていた。組織は警察内部の通報者を使い、次々と殺戮の罠を仕掛けてくる。アスカを守るのは、明日香の元恋人・仁王こと古芳ひとり。だが、古芳はアスカの精神が明日香であることを知らない。一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。不協和音が生じた二人にさらなる刺客が…!!息もつかせぬアクション、巧みな構成、想像を絶する展開。感動と興奮を呼ぶエンターテインメントの真髄。

感想

まさにノンストップエンターテイメントの一つ。上巻の終わり辺りから下巻の最後まで読み終わるのが惜しい感じでした。
寝床に入ってから読み出すと、1時間はあっという間。そのあとも読んだシーンが頭の中に浮かんでしまって・・
脳移植とか、金井刑事の奥さんの惨殺シーンとか、別荘での戦闘シーンとか、いろいろ盛り沢山で、まるで、007の映画を見ているようです。
なぜ巨大なクラインが崩壊してしまうのか?普通に考えればなさそうな設定なのに、そうなってしまう。
そこに、人間のこころが強く影響していたというところが、作者の狙いの一つだったようで、同感です。巻末の解説を読んで納得しました。(2015.05.06記)

罪深き海辺 (大沢 在昌)


罪深き海辺(上) (講談社文庫)

内容(「BOOK」データベースより)

財政破綻寸前の港町に全財産を寄付し、亡くなった大地主。六年後、遺産相続人の干場という青年が突如現れた。激化する暴力団の抗争、露見する進出企業の陰謀、そして相次ぐ不審死…。干場の登場により街に隠れていた毒虫たちが動き出す。本当の悪は誰か?定年間際の刑事・安河内が命をかけて真相に挑む。

 

 

陽のあたるオヤジ (大沢 在昌)

裏表紙のあらすじより

おやじとなったら、選ぶ道はひとつしかない。
「オヤジくさい」オヤジではなく「陽のあたる」オヤジになるしかない。
堅い決意を胸に抱いた著者が、自分の青春時代をふりかえりながら、酒、仕事、恋愛、釣り・・・・・について、どのように積極的に立ち向かうかをかたるエッセイ。

感想

新宿鮫から始まって中古本は読みつくしてしまってました。ようやく旧新刊?が出始めましたね。久しぶりに大沢さんの本を読みました。
題名は「陽のあたるオヤジ」なんて、かっこいいんですが、中身は中年オヤジの日々の悩みエッセー。
肥満体質で減量に悩むところなんかずいぶん大沢さんへの親しみが増しました。  

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