奥田英朗の本を紹介します

奥田英朗の本を読みました。書名をクリックするとその本の紹介へジャンプします。

聖なる夜に君は 奥田英朗ほか5名 角川文庫

聖なる夜に君は 奥田英朗ほか

内容(裏表紙のあらすじより)

娘がどきりとさせる言葉を口にした。クリスマスイヴの晩、友達の家に泊まるというのだ。
17歳の娘にとって、初めての外泊だ。友達の家なんて、たぶん嘘だろう。こんな時、母親として、自分はどういう態度をとるべきなのだろうか……?(「セブンティーン」奥田英朗)
……幸福な出会いと切ない別れ。許されぬ恋と無償の愛。聖なる夜一夜を巡る、それぞれのドラマの行方は?クリスマスをテーマに贈る、心に浸みる6つの物語。

わたしの感想

6つの作品は、セブンティーン(奥田英朗)、クラスメイト(角田光代)、私が私であるための(大崎義生)、雪の夜に帰る(島本理生)、二人のルール(盛田隆二)、ハッピークリスマス、ヨーコ(蓮見圭一)。
奥田さんの作品を読みたくて買いました。角田さんにも興味があったし。
セブンティーンは娘を持つ母親の心情がよく書かれている。友達の家に泊まりに行くというのがウソと分っていながら、なかなか面と向かってそういえない母親。一日枚の心の動きが描かれていて興味深い。友達の母親から確認の電話がかかってきた時に、娘たちの嘘に口裏を合わせてしまった母親。どういう信条だったのだろう?はっきりとは書かれていないが、娘から大人のような視線を浴びせられるという形で終わっているので、きっとこれからも理解しあえる母娘でいられるのだろう。
最後の作品、ハッピークリスマス、ヨーコは文章の流れが今まで読んできたものとちょっと変わっている感じがして、新鮮だった(2017.06.27)

 

スポンサーリンク

 

用もないのに 文春文庫 奥田英朗

用もないのに 奥田英朗

内容(裏表紙のあらすじより)

職業:小説家。年齢:とりあえず中年。じきに五十路の身である。〆切のある旅なんて真っ平御免。自慢じゃないが、おやじの腰は重いのである。と、胸を張ったはどこへやら。編集者の甘言につられて、北京、NY,あっちこっちの野球場、果てはお遍路まで……。人気作家がしぶしぶ物した、脱力紀行エッセイ集。笑えますって!

わたしの感想

奥田英朗さんへの印象がずいぶん変わりました。言いたいことを言いたい放題。こんなことまで言っていいの?野球編では、そんな感じでした。
遠足編は、文春のB女子に無理やり企画された感じもありましたが、フジロックの章は、ちょっと私には理解できない世界を描いてましたね。ロックってそんなに夢中になれるものなのかしらん?
愛知万博の章では、確かに私には全然興味がわきませんでした。外国人が全然来ていないのに、行列だらけというのには本当にご苦労様でした。
ジェットコースターで年齢の上限があるというのは驚きで納得です。ジェットコースターなんて気持ちが悪くなるだけで、釘も痛くなりそうだし、確かにあんなのには乗りたくもない・・・。
四国のお遍路の章、妙にまじめに描写がしてあって、返って私も行ってみたくなってしまいました。
奥田さん、小説が書けなくなっても、こういう分野で生き残っていけるかな!(2017.04.12)

 

 

我が家の問題 (集英社文庫) 奥田英朗

我が家の問題 奥田英朗

内容(裏表紙のあらすじより)

夫は仕事ができないらしい。それを察知してしまっためぐみは、おいしい弁当を持たせて夫を励まそうと決意し……「ハズバンド」。新婚なのに、家に帰りたくなくなった。甲斐甲斐しく世話をしてくれる妻に感動していたはずが……「甘い生活?」。それぞれの家族に起こる、ささやかだけれど悩ましい「我が家の問題」。人間ドラマの名手が贈る、くすりと笑えて、ホロリと泣ける平成の家族小説。

わたしの感想

こちらも”家日和”と同様に6編の短編で構成されている。「甘い生活?」「ハズバンド」「絵里のエイプリル」「夫とUFO」「里帰り」「妻とマラソン」それぞれ味わい深い。中身の分析については吉田伸子さんの解説で言い尽くされている。ここでは私なりの細かな感想。
「甘い生活」至れり尽くせりの奥さんにウットオしさを感じる夫。一人の生活が長すぎて、構われるのがうっとおしく感じる”独身病”といわれて納得。かまってもらえれば最高なのになと感じるのはおじさんのひがみか^^。

 

「ハズバンド」段取りができなくて会社では厄介者の夫を、手作りの心のこもった弁当を持たせることで励ます妻が、うらやましい。

 

「絵里のエイプリル」夫婦の不仲をひょんなきっかけで知らされ、それから観察を続ける娘。やたらと夫婦喧嘩をしていれば子供にもすぐ気づくだろうけど、コールドウォーだとなかなか気づけないかも。ちょっと変わった作品。

 

「夫とUFO」夫のおかしな言動を真剣に心配する妻。夫を追跡してみたり、昔の会社の同僚に相談してみたり、こんなに相手のことを気遣える妻は素晴らしい。「これからおとうさんを救出してきます」の言葉はジーンときて圧巻。

 

「里帰り」新婚での初盆、旦那の実家が北海道で奥さんの実家が名古屋。確かに一挙に回るのは大変。それをやろうとするのもすごい。私にはとてもできません。それぞれの実家で緊張しまくりながらも、格好をつけながらもなじむことができる。いいですねえ…。良いところを見つけるように考えれば世の中うまくいく?

 

「妻とマラソン」前作の”家日和”の「家と玄米御飯」の後日談。ロハスに夢中だった妻は今はしっかり専業主婦に専念。唯一の趣味がランニング。そんな妻の寂しさを気遣うN木賞作家の夫。こういう気づかいができれば夫婦の中は長続きするんだろうな。東京マラソンに妻が出場し、夫と息子二人で心から応援する風景と心情。これこそ、作家奥田英朗の真骨頂。心が暖まりました。(2016.12.16)

 

 

家日和 いえびより (集英社文庫) 奥田英朗

村上龍 家日和

内容(裏表紙のあらすじより)

会社が突然倒産し、いきなり主夫になってしまったサラリーマン。内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。急にロハスに凝り始めた妻と隣人たちに困惑する作家などなど。日々の暮らしの中、ちょっとした瞬間に、少しだけ心を揺るがす「明るい隙間」を感じた人たちは……。今そこに、あなたのそばにある、現代の家族の肖像をやさしくあったかい筆致で描く傑作短編集。

わたしの感想

久しぶりに読んだ奥田英朗の作品。この人の話は心が暖まります。好きです。6つの短編集ですが、それぞれ印象に残ります。
*サニーディ*
ネットオークションにはまった主婦がテーマ。私はやったことがないが、値段がどんどん吊り上がっていくのは病みつきになるだろうな。旦那の大事なレコード・プレーヤーを出品してしまい、それを後悔して取り下げようとしてできなくて焦りまくるシーン。解決策はなるほどでした。

 

*ここが青山*
会社が倒産して主婦になった夫と、替わりに勤めだした妻との日常がテーマ。夫が無職になったときの近所への気恥ずかしさは私にもよくわかります。それから主夫として料理の楽しみがわかってくるというのもわかります。これからもいつまでもこの状態が幸せな状態で続きそうな予感と余韻を感じさせてくれました。

 

*家においでよ*
倦怠期なのか特に原因もなしに分かれて家を出ていった妻。残された夫は、特に悲しむでもなく、だんだん家の中を自分が若いころやりたかった物で充実させていき、独身を大いに楽しむようになる。それを知った同僚や近所の男が、家に入り浸るようになる。最後は妻が戻ってきてハッピーエンドのようなんだけど、束の間の(2か月間)の独身生活、うらやましいような…

 

*グレープフルーツ・モンスター*
内職先の若い担当を意識し始めた途端、変な夢を見るようになった主婦。変わったテーマだけれど、こんなこともあるのかな?少し異色な作品。

 

*夫とカーテン*
転職を繰り返す夫と、それを半ば軽蔑している妻。それがカーテンの販売事業を始めて、それを軌道に乗せていく過程で、今まで見えていなかった夫の才能に妻が気づいていく。こんなふうなハッピーな展開は男ならだれでも夢見るだろうな。

 

*妻と玄米御飯*
売れない小説家の夫と、近所の主婦に勧められて始めたロハスにはまり込む妻。そして二人の子供。ロハスがどんどん家庭の中の中心になっていく過程。そんな自分や周りの様子を、ユーモア小説を得意とする夫が妻と玄米御飯というタイトルの小説に仕上げる。ただそれを発表すると、妻との関係が壊れてしまうのは間違いない。そこで夫がとった行動は…? ロハスを題材にして環境活動のいろいろな側面を考えさせてくれるのが興味深い。

 

どの作品も、お互いを思いやる心が根底に流れているように感じられて好きです。(2016.12.12)

 

 

オリンピックの身代金(上) 奥田英朗

角川文庫版あらすじより

昭和39年夏、東京はアジア初のオリンピック開催を目前に控えて熱狂に包まれていた。そんな中、警察幹部宅と警察学校を狙った連続爆破事件が発生。前後して、五輪開催を妨害するとの脅迫状が届く。敗戦国から一等国に駆け上がろうとする国家の名誉と警察の威信をかけた大捜査が極秘のうちに進められ、わずかな手掛かりから捜査線上に一人の容疑者が浮かぶ。圧倒的スケールと緻密なディテールで描く犯罪サスペンス大作!

 

 

オリンピックの身代金(下) 奥田英朗

角川文庫版あらすじより

急死した兄の背中を追うようにオリンピック会場の建設現場へと身を投じた東大生・島崎は、労働者の過酷な現実を知る。そこには、日本が高度経済成長に突き進む陰でなお貧困のうちに取り残された者たちの叫びがあった。島崎は知略のすべてを傾けて犯行計画を練り、周到な準備を行う。そしてオリンピック開会式当日、厳重な警備体制が敷かれた国立競技場で運命の時を迎える!吉川英治文学賞を受賞した、著者の代表作。

 

 

噂の女 奥田英朗

「BOOK」データベースより

「侮ったら、それが恐ろしい女で」。高校までは、ごく地味。短大時代に潜在能力を開花させる。手練手管と肉体を使い、事務員を振り出しに玉の輿婚をなしとげ、高級クラブのママにまでのし上がった、糸井美幸。彼女の道行きにはいつも黒い噂がつきまとい―。その街では毎夜、男女の愛と欲望が渦巻いていた。ダークネスと悲哀、笑いが弾ける、ノンストップ・エンタテインメント!内容

 

 

純平、考え直せ(光文社文庫) 奥田英朗

あらすじ

坂本純平は気のいい下っ端やくざ。喧嘩っ早いが、女に甘くて男前。歌舞伎町ではちょっとした人気者だ。そんな彼が、対立する組の幹部の命を獲ってこいと命じられた。気負い立つ純平だが、それを女に洩らしたことから、ネット上には忠告や冷やかし、声援が飛び交って…。決行まで三日。様々な出会いと別れの末に、純平が選ぶ運命は?一気読み必至の青春小説!

 

 

邪魔(上) (講談社文庫) 奥田英朗

あらすじ

及川恭子、34歳。サラリーマンの夫、子供二人と東京郊外の建売り住宅に住む。スーパーのパート歴一年。平凡だが幸福な生活が、夫の勤務先の放火事件を機に足元から揺らぎ始める。恭子の心に夫への疑惑が兆し、不信は波紋のように広がる。日常に潜む悪夢、やりきれない思いを疾走するドラマに織りこんだ傑作。

 

 

邪魔(下) (講談社文庫) 奥田英朗

あらすじ

九野薫、36歳。本庁勤務を経て、現在警部補として、所轄勤務。7年前に最愛の妻を事故でなくして以来、義母を心の支えとしている。不眠。同僚・花村の素行調査を担当し、逆恨みされる。放火事件では、経理課長・及川に疑念を抱く。わずかな契機で変貌していく人間たちを絶妙の筆致で描きあげる犯罪小説の白眉。

無理 上 (奥田 英朗)

裏表紙のあらすじ

合併で生まれた地方都市・ゆめので、兎っ屈を抱えながら暮らす5人の男女---人間不信の地方公務員、東京にあこがれる女子高生、暴走族上がりのセールスマン、新興宗教にすがる中年女性、もっと大きな仕事がしたい市議会議員---。
縁もゆかりもなかった5人に人生がひょんなことから交錯し、思いもよらない事態を引き起こす。

感想

久しぶりに読む奥田英朗さんの作品。楽しみです。
小さな町で、鬱屈(うっくつ)している、地方公務員、女子高生、セールスマン、中年女性、市議会議員、ほんとにどこにでもいる人たちが主人公です。
抱える問題は、人間不信、東京へのあこがれ、暴走族、新興宗教、地方のしがらみ、とこれもありふれたものばかりです。
それを奥田氏は、具体的に細かく描写し、それが入れ替わり立ちかわり書きすすめられて行きます。
上巻を読み終わったところでは、まだ物語がどう展開するかは予想がつきません。(2013.02.18記)

 

 

無理 下 (奥田 英朗)

裏表紙のあらすじより

真面目に働くことの馬鹿馬鹿しさを知り、自分の地位が脅かされることにおののき、信じていたものには裏切られ・・・。5人の男女が心の軋みに堪え切れなくなった時、それぞれの人生は猛スピードで崩壊してゆく。矛盾だらけのこの国を象徴するかのような地方都市・ゆめのを舞台に、どん詰まり社会の現実を見事に描き切った群像劇。

感想

上巻に続いて読みました。あらすじにあるように、登場人物の人生がどんどん転落していきます。
行けども行けども、悪くなる一方。紙面はどんどん少なくなっていきます。
そして最後・・・
こんな終わり方もあるのね…余韻があるといっていいのか、この先主人公たちの運命やいかに!?
解説もないので、ちょっとあっけにとられたまま読み終えました^^それにしても、「無理」というタイトルの意味も不明?(2013.03.12記)

東京物語(奥田英朗)

BOOK」データベースより

1978年4月。18歳の久雄は、エリック・クラプトンもトム・ウェイツも素通りする退屈な町を飛び出し、上京する。キャンディーズ解散、ジョン・レノン殺害、幻の名古屋オリンピック、ベルリンの壁崩壊…。バブル景気に向かう時代の波にもまれ、戸惑いながらも少しずつ大人になっていく久雄。80年代の東京を舞台に、誰もが通り過ぎてきた「あの頃」を鮮やかに描きだす、まぶしい青春グラフィティ

感想

久しぶりに奥田英朗(おくだひでお)を読みました。
主人公は、田村となっていますが、かなり自伝的な色合いが強いと思われる作品です。
50代以上年代には、青春のころが懐かしく思い出されるいろいろなエピソードがちりばめてあります。
人の心の動きを丁寧に描写するところが、奥田さんの作風ですが、コピーライターとしての田村の行動や考え方から、
なるほど、奥田英朗はこうして生まれてきたのだな、と納得させられます。
いきなり、この作品を読むと違和感があるかもしれません。たとえば「空中ブランコ」とか「真夜中のマーチ」とか読んでからがお勧めです。

 

スポンサーリンク

ブログパーツUL5


トップ 読書雑感 プロフィール